AI時代、私たちは「文章」ではなく「画面」を作る
最近、Xで見かけたある記事が、すごく印象に残っています。
Anthropicのエンジニアの方が書かれていた記事で、「もうMarkdownを書くことはほとんどなくなって、AIにHTMLを生成させている」という話でした。
最初に読んだときは、
「ああ、そういう使い方が主流になってきてるんだな」
くらいの感覚でした。
でも、実際に自分でも試してみたら、これは単なる“形式の違い”ではないなと思ったんです。
MarkdownかHTMLか、ではなく「仕事の質」が変わる
最近、私はAIエージェントを使って、自分用の経営ダッシュボードを毎朝生成しています。
Slack、カレンダー、ファイル、タスクなど、日々の仕事の情報って本当に散らばっています。
それをAIに見に行ってもらって、
「今日やるべきこと」
「注意した方がいいこと」
「優先順位」
みたいなものを整理してもらっています。
最初は普通にテキストで出力していました。
自分専用のSlackチャンネルに、毎朝テキストでレポートを投げてもらう形です。
それだけでもかなり便利でした。
集中しやすいし、頭の整理もされる。
「AIが秘書みたいに働いてくれてる…」という感覚がありました。
テキストからHTMLにしたら、理解の速さが変わった
でも、先ほどの記事を読んでから、
「今はテキストじゃなくてHTMLで出す時代なのかもしれない」
と思って試してみたんです。
すると、体験がまったく違いました。
HTMLで作ると、情報が“ホームページ”みたいになるんですよね。
優先順位がカード形式で整理されていたり、
重要な項目に色がついていたり、
ボタンを押すとそのままSlackやドキュメントに飛べたり。
単に情報が並んでいるだけじゃなく、
「今日、自分がどう動けばいいのか」が視覚的に理解できる。
これが想像以上に大きかったです。
情報の内容自体は、テキスト版とそこまで変わらないんです。
でも、理解の速さが全然違う。
「あ、今日はここに集中すればいいんだ」
「これは後回しでいい」
「この案件は今動かした方がいい」
そういう判断が、ものすごく早くなる。
大事なのは、きれいな出力より「判断しやすさ」
AI活用って、「すごい文章を書かせること」に目が向きがちですが、本当に大事なのは、人間が理解しやすい状態を作ることなのかもしれないなと思いました。
つまり、“きれいな出力”より、“判断しやすい出力”。
ここがすごく重要なんじゃないかと。
以前の私は、まず情報を探すことに疲れていました。
Slackを見て、
メールを見て、
Notionを見て、
カレンダーを見て、
頭の中で優先順位を組み立てながら、とにかく片っ端から仕事を進める。
終わりが見えないまま、
「まあ自分のスピードで走ればなんとかなるはず」
みたいな感じで、毎日ブルドーザーのように木をなぎ倒していくかのような働き方(笑)
それはそれで、自分の強みでもあったと思います。
仕事の全体像が見えると、安心して判断できる
でも今は、
1日の全体像が“デザインされた状態”で見える。
それによって、
「ここには時間をかけよう」
「ここは最低限でいい」
という判断が、かなりしやすくなりました。
あと、HTML化してよかったことがもう一つあります。
それは、「どこに行けばその仕事ができるか」を全部ボタン化したことです。
情報を見るだけじゃなく、
そのままクリックして仕事場に移動できる。
これ、地味なんですが、かなり作業効率が変わります。
仕事って、思った以上に“移動コスト”が大きいんですよね。
どこにあるんだっけ?
どのURLだっけ?
どのSlackだっけ?
その小さな迷子の積み重ねが、集中力を削っていく。
だから、「判断→移動→実行」が一続きになるだけで、かなり仕事が進みやすくなるんだなと実感しています。
AIには「目的」を渡すことが大事
今回ダッシュボードを作る中で、とても大事だったのが、「目的」をAIに渡すことでした。
単なるタスク整理にしたくなかったんです。
私はPLASの代表として仕事をしていますが、
最も大きな目的は、
「取り残された子どもたちが前向きに生きられる社会をつくること」です。
そのために、
事業を進める。
資金を集める。
チームをつくる。
チームが良い状態で働けるようにする。
そういうことをAIに最初に伝えました。
「この目的に向かって、今日見るべきことを整理してください」
と。
最近のAIって、単に指示通り動くというより、
目的を渡すと、その目的に沿って自律的に考え始めるんですよね。
だからこそ、
“何をさせるか”より、
“何のためにやるのか”を伝えることが重要なんだろうなと思っています。
自分の特性も、AIに渡してみる
もう一つ面白かったのが、自分の性格や特性もAIに読ませたことです。
ストレングスファインダーやMBTIなど、過去の診断結果を渡して、
「この人が最も成果を出しやすい形でダッシュボードを設計してください」
とお願いしました。
するとAIに、
「この人はタスクが増えると全部やろうとする」
「マルチタスク化しやすい」
「だから重要なことを3〜5個に絞った方がいい」
と言われたんです。
本当にその通りでした。
私は、片っ端から進めていくタイプなんですよね(笑)
それは強みでもあるけれど、
同時に、自分を消耗させる原因にもなっていた。
だから今は、
「今日やらなくていいこと」
もダッシュボードに表示してもらっています。
AIって、単なる効率化ツールというより、
自分自身の働き方を“見える化”してくれる存在にもなり始めているのかもしれません。
AIと一緒に、自分の行動を変える画面を作る
そして、感じたのは、
AI時代は「文章を作る」だけじゃなく、
「画面を作る」時代に入ってきているのではないか、ということです。
情報を並べるだけではなく、
その人の行動を変えるために、
どう見せるかを設計する。
自分自身の意思決定や行動を変えるために、AIと一緒に“環境”をデザインしていく。
これが、これからの働き方の一つになっていくのかもしれないなと思っています。
これから試してみたい人へ
もし、毎日の仕事ダッシュボードを作ってみたい方がいたら、
ぜひ「目的」と「自分の特性」をAIに伝えてみてください。
単なるタスク管理ではなく、
“自分がよりよく働ける環境づくり”
として考えると、かなり変わると思います。
ちなみに私は、最初からCodexで全部作るのではなく、まずChatGPTと対話しながら設計を詰めていきました。
「どんなダッシュボードがいいか」
「何を表示すべきか」
「自分にとって何が重要か」
それを整理した上で、
最後に「これをCodexに渡したいので、指示文を作ってください」とお願いして実装しました。
このやり方、トークン節約にもなるのでおすすめです。
お知らせ:PLAS設立20周年に向けて
最後に少しだけお知らせを。
5月18日に、クラウドファンディングを開始する予定で、準備を進めています。
アフリカでの活動をさらに前に進めること。
そして、20年間積み重ねてきた知見を、オープンナレッジとして共有していくこと。
現地の団体や、日本の団体、これから活動を始める人たちにも活用してもらえる形をつくれたらと思っています。
また公開になったら、ぜひ見ていただけたら嬉しいです。


