これから起業しようとしている方から、よく聞かれることがあります。
「起業するときに大事なことは何ですか?」
「会社をリーダーとしてやっていくうえで、何を意識したらいいですか?」
いろいろな答え方ができると思います。
事業計画。
お金の管理や資金調達。
営業も、採用も、商品設計も、もちろん大事です。
でも、私が一番大切だと思っているのは、やっぱり「ビジョン」です。
自分の事業活動を通して、何をどう変えたいのか。
もっと言えば、社会をどう変えたいのか。
ビジョンは、青臭いものではありません
「ビジョン」という言葉を聞くと、少し青臭く感じる人もいるかもしれません。
でも、私はそうは思いません。
これはNPOやNGOをやっているから大切だ、という話ではありません。
営利企業であっても、個人事業であっても、誰かと一緒に進むのであれば、ビジョンはとても大切です。
一人で事業をしているなら、自分の好きなように進めることもできるかもしれません。
でも、誰かと一緒に働くなら、
誰かと一緒に同じゴールを目指すなら、
「何のためにこの仕事をしているのか」
「何のためにこのサービスがあるのか」
「何のためにこの事業を続けているのか」
これを語れることが、すごく大事になります。
人は、お金や条件だけで動くわけではありません。
同じ方向を向いて進むためには、「私たちはどこに向かっているのか」が必要なんですよね。
ビジョンだけでは、人はついてきません
ただし、ビジョンがあればそれでいいのかというと、そうではありません。
ここには、すごく大事な条件があります。
それは、「ビジョンと行動が一致していること」です。
どれだけ立派なビジョンを掲げていても、その人の行動がそこからズレていたら、人はついてきません。
むしろ、すぐに見抜かれます。
この人は本当にそう思っているのか。
この人は言葉だけなのか。
この人は自分のために実はやっていて、きれいな言葉を並べているだけなのか。
そういうものは、毎日のちょっとした言葉や振る舞いに出ます。
会議での一言。
誰かに接するときの態度。
苦しい状況でのふるまい。
そういう細かいところに、その人の本音は行動として出るのだと思います。
だからこそ、ビジョンと行動が一致していないと、たくさんの人と一緒にゴールへ向かうことは難しいです。
嘘のビジョンは、たぶんバレます
これは私自身も、きっと見られているのだと思います。
なんとなく感じるものがあるんですよね。
「あ、この人は本当にそう思っているんだな」
あるいは、
「あ、この人は嘘をついているかもしれないな」
もちろん、言葉だけでうまく見せることができる人もいるかもしれません。
でも、長く一緒にいれば、やっぱり見えてきます。
だから、リーダーが掲げるビジョンは、自分が心から信じられるものでなければいけないのだと思います。
そうでないと、どこかで嘘になります。
そして、その嘘はきっとバレます。
私が大切にしているビジョン
私が活動している団体のビジョンは、「取り残されている子どもたちが、前向きに生きられる社会をつくること」です。
これは、私が20年間ずっと大切にしてきたことです。
すべての子どもたちが、自分の将来を考えたときに、悲観的にならない社会をつくりたい。
「自分なんて生まれてこなければよかった」と思わずに、自分の人生を前向きに考えられるようになってほしい。
そして、自分で選び、行動していけるようになってほしい。
そういう社会をつくりたいと思っています。
これは、私にとって嘘ではありません。
心からそう思っています。
だからこそ、今の活動があります。
ビジョンは、自分の生き方ともつながっている
そして、このビジョンは、子どもたちに対してだけのものではありません。
私自身も、そう生きたいと思っています。
人生には、つらいこともあります。
苦しいこともあります。
自分ではどうにもできないような出来事が起きることもあります。
運命に逆らえないと感じる瞬間もあるかもしれません。
それでも、自分の人生を前向きに捉えて生きていきたい。
私はそう思っています。
だから、私のビジョンと私自身の行動はつながっています。
もちろん、いつも前向きでいられるわけではありません。
落ち込むこともあります。
苦悩することもあります。
でも、そういう時間も含めて、それでも前に進んでいきたいと思っています。
その姿勢も含めて、きっと周りの人に見られているのだと思います。
リーダーは、毎日見られています
リーダーの言葉は見られています。
でも、それ以上に、リーダーの行動は見られています。
どんなビジョンを語るのか。
そのビジョンに対して、どんな行動をしているのか。
苦しいときに、何を選ぶのか。
人に対して、どう接するのか。
そういう積み重ねが、信頼になります。
だから、リーダーに必要なのは、立派な言葉を並べることではありません。
自分が本当に信じていることを語ることです。
そして、その言葉に沿って生きることです。
何を変えたいのか。
誰のために事業をしているのか。
どんな社会をつくりたいのか。
その答えを、自分の言葉で語れること。
そして、その言葉に見合う行動を、毎日少しずつ積み重ねること。
きっと、そこに仲間が一緒に歩んでくれる理由があるのだと思います。









